【インフラSEになりたい人向け】元PLがガチで教える【会社選びのコツ】
この記事は、
- インフラSEになりたい
- インフラSEはお給料が良いか知りたい
- インフラSEの年収アップのコツが知りたい
人向けの記事です。
あなたは「インフラSE」に対して、こんなイメージはないでしょうか。
・インフラSEは学歴によらず高収入を目指せる
・経験を積めば年収1,000万超えも可能
・若くして独立や起業も夢ではない
同時に、でも現実はそんなに甘くないんでしょ?と思っているかもしれません。
どちらも正しいです。
インフラSEは学歴によらず高収入を得ることも可能ですし、
経験を積んでハイクラス転職も可能です。
若くして独立や起業する人もいます。
ただそれは、
インフラSEに限った話ではありませんし、現実もそう甘くはありません。
「嘘は言っていない」というやつですね。
インフラSEでお給料が高い人は、
「上流工程」を簡単に説明すると、
システムをどう作るか計画したり設計図を描いたりする仕事です。
「料理のレシピを作るようなもの」です。
- お客様にどういう料理が食べたいか確認して、
- 材料は何を使うか、
- 盛り付けのデザインはどうするか、
- どういう手順で作るか…など考えて、
レシピ(設計書など)を作ります。
料理人(下流工程)はレシピを見て料理(システム)を作ります。
実際の料理でも、
レシピを見て料理を作る人はたくさんいますが、
レシピを作る人って少ないですよね。
材料が多くて複雑な手順のレシピならなおさらです。
システム構築の上流工程も、「複雑(大規模案件)になるほどできる人が少ない」ので、お給料が高くなりやすいです。
上流工程を目指したい人は特に、就職や転職の際の会社選びが大事です。
上流工程を担当するインフラSEを目指すなら、
- 会社にサーバルームがある(検証ルームがある)
- 案件の最初から最後まで経験できる
会社がよいです。
そしてできれば、
・ネットワーク構築、サーバ構築、プログラム開発の部署がある
・サポート対応も行う仕事か、サポート対応の部署がある
・案件の一次請けもしている
会社だとなお良いです。
インフラSEの会社選びの「ほんとのところ」を、自分の経験をもとに書いていきますね。
この記事を書いた人
・元インフラ構築エンジニア
・小~大規模案件の設計構築をしていた
・4年ほど正社員として働いて独立
・入社3~4年目に大規模案件のPLを複数回経験
・独立後は企業からPL案件を受注してきた
・趣味のお絵描きサイトでときどきマニアックな記事を書く
またガチめの場違いな記事を…。
たまたま来た人が得をする辺境サイトを目指してます。
この記事は、あくまで管理人の経験をもとにしています。
管理人は「現役のインフラSE」ではないですが、SE時代にわりと濃い経験をしています。
これからインフラSEを目指す人、上流工程の仕事がしたい人の参考になったら嬉しいです。
「インフラSEは学歴によらず高収入を目指せる」はホント?
本当です。
インフラSEは学歴によらず高収入を目指せます。
インフラSEに限った話ではないですが!
わたしはインフラの設計構築SEとして4年ほど正社員で働きました。
入社3年目から4年目に大規模案件のPL(プロジェクトリーダー)を複数回経験しています。
「PL経験者」というと「学力高そう」なイメージがありますが、
わたしの学力は「中学生レベル」です。
大学も受験せず、高校も出席日数ギリギリでした。
学歴重視の人からしたら雑魚中の雑魚です。
今でも日本の地理がわからないので、友人にからかわれます。
小学生でも分かるでしょうに。
お恥ずかしい。
管理人の正社員時代のお給料
そんな管理人の正社員時代のお給料は、
大卒社員と同じ基本給、残業代、資格手当、部長職以上のボーナス
を、会社からいただいていました。
年収は同年代の大卒の男性の平均年収より高かったです。
高収入の理由は、会社の規定と評価基準です。
わたしが入社した会社は一般的に「実力主義」や「能力評価」と呼ばれます。
じゃあ実力重視の会社にするか!とすぐに決めるのは気が早いです。
学生時代とは違うメンタルの強さが求められるので、
安易に選ぶと後悔します。
たとえば、わたしは新人時代に、
「当時の自分が徹夜で調べても分からないこと」がありました。
しかし仕事には納期があります。
お客様もお待たせしており、わらにもすがる思いで上司に質問したところ、
「俺の仕事は「お前に仕事を教えること」ではない」
「教えてもらいたいなら金を払え」
という意味の言葉を、
ヒェッ…。
このたとえ話を想像して、
精神的に立ち直れないほどショックを受ける気がする人や、
新人に仕事を教えるのは当たり前なのにおかしい!
女性に優しくしないのは人としてありえない!
ブラック企業だ!
…と、本気で怒って【自分の権利を主張する人】は、
(あくまで個人的な考えですが)「実力主義」には向いていないです。
パワハラを許容するという話ではないです。
結局そのときどうしたの?
分かるまで調べた。
……。
経験上、
「何をしてもどうしても分からず半泣きになる問題」を、
「何とかして自力で解決する経験」を繰り返して、
SEは強くなります。
インフラSE時代にわたしを優秀だと思ってくださる人がいたとしたら、
当時の上司の【塩対応】のおかげです。
最高の教育をしてもらったと思うので上司には感謝しかありません。
人としてはどうかと思いますけど!
…が、当時は顔で笑って
「夜道は背後に気を付けろよ」と思っていました。
ヒェッ…。
こんな奴がゴロゴロいる※ってことだよ。
※所説あります。
ちなみに上司は秒で問題を解決できる技術力の持ち主です。(でも助けてくれない)
IT業界は転職する人も多い
IT業界は転職する人も多いです。
主な転職理由は、
- 人間関係
- 忙し過ぎて体をこわす
- 上流の仕事ができない会社と気づいた
- 優秀な人はヘッドハントやハイクラス転職、独立起業で抜ける
です。
圧倒的に多いのが人間関係です。
表向きには「スキルアップのために転職する」と前向きな理由をつけても、
「実は人間関係のストレスが原因」という経験は、
アルバイトを含めてだれでも一度はあるのではないでしょうか。
インフラSEに限った話ではないですね。
仕事が忙し過ぎて体をこわす人も多い印象があります。
経験上、
人間関係が【良いと】仕事のストレスはある程度何とかなるので【注意】です。
「人間関係の良さで仕事のストレスがごまかされる問題」は、過労につながります。働きすぎに注意しましょう。
人間関係が悪いと精神を病むし…難しいね。
上流の仕事ができない会社と気づいた人も転職します。
今の仕事を続けても年収はほどんど上がらないと気づいたSEは転職を考えます。
優秀な人もヘッドハントやハイレベル転職、独立起業で抜けていくので、
人の入れ替わりが多い職種だと思います。
こういった事情で常に人材不足で求人が多いのがIT業界の特徴です。
求人はたくさんありますが、
ゆくゆくは上流工程の仕事をして年収アップを狙いたい場合は、会社選びが大事です。
上流工程を目指すインフラSEの会社選びのコツ
上流工程を目指すインフラSEの会社選びのコツを紹介します。
会社選びのコツ
- 会社にサーバルーム(検証ルーム)がある
- 案件の最初から最後まで経験できる
- ネットワーク構築、サーバ構築、プログラム開発の部署がある
- サポート対応も行う仕事か、サポート対応の部署がある
- 案件の一次請けもしている
会社にサーバルーム(検証ルーム)がある
一番大事な条件が、
会社にサーバルーム(検証ルーム)がある
です。
なぜなら、SEのスキルアップには勉強が不可欠だからです。
スキルアップで自分の市場価値が高くなり、年収アップや希望の転職につながりやすくなります。
実機をいつでも使える人が圧倒的に有利です。
検証ルームがあれば、
・資格勉強のために実機を使って確認する
・障害対応のために検証環境を作って再現テストをする
・お客様への提案のために実機で動作確認をする
・とにかく実機に触る
ことができます。
経験上、
「何をしてもどうしても分からず半泣きになる問題」を、
「何とかして自力で解決する経験」を繰り返して、
SEは強くなります。
検証環境で問題を再現して原因を特定することができない場合、
海外サイトを含めてネットで答え探しをするか、
問題が発生した製品のメーカーのサポートに問い合わせをして回答を待つしかありません。
保守を担当する別の会社に問い合わせる場合もあります。
「半泣きになるような問題」は、ネットに答えなどないのが当たり前です。
「ググればいい」と思っていたり、Webに答えがないとキレちらかすSEは論外です。
サポートの回答を待つ場合は、
回答まで時間がかかったり、たらい回しにされたりします。
一方、検証環境で問題を再現して原因を特定する場合、
SEは問題解決のスピードも大事です。
「あの人に聞けば5分で分かる」人と、
「解決まで1週間かかる」人がいたら、
5分でわかる人を選びますよね。
自分がお金を払うならどちらを選ぶか考えるとシビアです。
たとえ解決の糸口に繋がらなくても、
- 検証環境構築の手際が良くなる
- 検証するクセがつく
- 新しい発見があるかもしれない
ので無駄にはなりません。
実際は実機の検証も、ネットをあさるのも、サポートの問い合わせも全て行うのですが、
検証環境の有無でSEの力量に天と地ほどの差が出ると思います。
市場価値が上がりやすいです。
案件の最初から最後まで経験できる
お客様への提案から納品完了、その後のサポートまで経験できる会社が望ましいです。
会社が上流工程の仕事を扱っていない場合は転職するしかなく、
未経験の求人は年齢制限がつくこともあります。
現場未経験の人が入社してもほぼ何もできないからです。
入社したての新人が、
「要件定義して見積もり作って」
「テスト環境作っておいて」
「設計書の校正よろしく」
「Visioで構成図修正しといて」
と言われてもできません。
新人が使えるようになるにはある程度の期間が必要で、
いろいろな意味で体力も必要な仕事なので、
求人に年齢制限がつくのは仕方がないと個人的には思います。
最初から上流工程の仕事も扱っている会社を選ぶと良いですね。
ネットワーク構築、サーバ構築、プログラム開発の部署がある
ネットワーク構築、サーバ構築、プログラム開発の部署がある会社がおススメです。
経験者でも意見は分かれると思いますが、
わたしはシステム構築の仕事を全体的に把握しやすい会社が良いと思います。
案件が大きくなるほど、
他の会社や他の仕事との連携が必須だからです。
机上の勉強では現場のプロにはかないませんし、
ネットワーク、サーバ、プログラム開発の部署がある会社は、
分からないことを同じ会社のプロに質問できる環境もメリットですね。
教えてくれるとは限りませんが。
サポート対応も行う仕事か、サポート対応の部署がある。
サポート対応も行う仕事か、サポート対応の部署がある会社が良いです。
大事なのは、サポート対応「も」行う仕事です。
マニュアル化されているサポートの仕事ではないです。
経験上、
「何をしてもどうしても分からず半泣きになる問題」を
「何とかして自力で解決する経験」を繰り返して、
SEは強くなります。
「上流工程はつまらない」と言われる理由でもありますが、
上流工程(要件定義、基本設計、詳細設計、テスト計画など)だけ行う人は、
どんどん技術力が下がります。
現場でバリバリ仕事をしていた人が上流工程の仕事に就いたとき、
与えられた仕事だけしていると「つまらない」と感じやすいです。
上流工程の仕事に加えて検証やサポートも行うのはとても大変ですが、
技術力を腐らせず、自分も腐らせないために
お客様の問題解決に積極的に関わると良いです。
あくまで個人的な意見ですが、「現場を3カ月離れたらど素人」です。
別の言葉で言うと、「実機を3カ月触らなければど素人」だと思います。
わたしも「現場を離れたど素人」です。
案件の一次請けもしている
「案件の一次請けもしている会社」と言うと、
どうせ大企業でしょ?と思う人もいると思います。
実際は大企業だけではないです。
わたしの入社した会社は中小企業ですが、案件の一次請けもしています。
また、「大企業が一次請けした案件」のPLも請け負っています。
「一次請けの社員がPMをして、二次請けの社員がPLをする」はよくある話です。
大企業で「案件の一次請けもしている会社」のメリット
大企業で働くメリットは、「ライフワークバランスがとりやすそう」です。
役割分担がはっきりしているように見えるので、相当仕事が遅い人でない限り長時間勤務になりにくそうです。
大企業で「案件の一次請けもしている会社」のデメリット
大企業で働くデメリットは、「現場の役立たずになりがち」です。
上流工程だけ行う人はどんどん技術力が下がります。
技術力の低いPM/PLは現場では何の役にも立たないです。
特にPMは「役立たず」と陰口をたたかれやすいです。
陰口をたたく人が役立たずの場合も多いので、
どんなに役立たずでも、役職がついてお給料が高かったら勝ちじゃない!?
そういう考えもアリだと思う。
中小企業で案件の一次請けもしている会社のメリット
一方、中小企業で案件の一次請けもしている会社のメリットは、
- 年功序列によらず上流工程に参加しやすい
- 設計書など過去の資料を参考にしやすい
- 自己解決能力を高めやすい
- 実は大企業よりお給料が高いこともある
です。
インフラSEとして市場価値を高めやすいと言えます。
ちなみに、前に書いた「人としてどうかと思う上司」の年収は数千万です。
実力主義の年収は企業の大小によらないです。
中小企業で案件の一次請けもしている会社のデメリット
中小企業で案件の一次請けもしている会社のデメリットは、
新人が無理をして上流工程を目指す場合、激務になりがちです。
あくまでも管理人の経験の話ですが、
「ライフワークバランス」の体(てい)で言うなら
「ライフイコールワーク」です。
「働くことは生きること」って言うと聞こえはいいですね。
管理人の4年間の生活を垣間見る。(右の▼で開きます。)
帰宅はほぼ毎日24時を過ぎましたし、
検証ルームで朝まで検証するのもざらでした。
案件は複数同時進行が当たり前で、
案件ごとに打ち合わせの資料作成、設計構築作業、サポート対応があります。
システムの切り替え作業は基本的に定時以降や休日の作業です。
毎年、年末年始は切り替え作業でした。
深夜作業で年越し&年明けを迎えていました。
深夜に障害発生の電話で起こされて、リモートで対応できれば良い方です。
現地対応になって深夜作業のあとホテルが予約できなかったりします。
始発までカラオケボックスで歌い倒すかマンガ喫茶に行きます。
1年のうち半年は長期出張のホテル暮らしで家に帰りませんでした。
お休みの日は洗濯などの家事をするか、寝ます。
お金をほとんど使わないので貯まる一方でした。
4年間ゲームもお絵描きもできませんでした。
「限りなく黒に近いグレー」と言いたいですが、
ぶっちゃけただのブラックです。
ぶっちゃけすぎ。
誤解がないように補足すると、
わたしは上記のブラックな生活を自分で選んでいます。
同じ会社、同じ部署でもほとんどの人が自分より早く退社していました。
会社が悪いわけではないです。
雇ってくださった会社、厳しい上司、引き立てて下さったお客様、支えてくれた家族には感謝しかありません。
なんでそんなに働いたの?
早期リタイアしたかったから。
何かを得るには何かを犠牲にする必要がある。ということですね。
等価交換を心に刻みましょう。
鋼の錬金術師は名作ですよね。
体や心を壊しては元も子もないので、
長く働ける会社を選んで、
「ゆくゆくは上流工程の仕事をする」くらいのペースが堅実だと思います。
参考になったら嬉しいです。
ではまた!