「好かれなくて良かった」と心から思った人の話

わたしは誰にでもニコニコするせいか

人から悩みを相談してもらうことが多いのですが、

世の中には「誰にでも積極的に身の上話をする人」がいます。

先日仕事で会ったＡさんも

ほぼ初対面で重めの身の上話をしていました。

辛い経験で同情を買って搾取するタイプ

Ａさんの話は聞いた人が気を使うレベルの重さでした。

「大変だったんですね」
「（辛い経験を乗り越えて）すごいですね」

…と相槌を入れながら話を聞きました。

本当に苦労され、お子さんも育て上げてすごいなと思ったのですが、

ほぼ初対面の人に仕事の打ち合わせで重めの身の上話をするのは

常識とマナーに欠けます。

打ち合わせの参加者はわたしとＡさんの２人だったので

Aさんに話を合わせて自分も苦労話をしたのですが、

わたしが話す間AさんはPC作業をしながらこちらを一切見ることなく

何の感情もない声で「カワイソー」と言っただけでした。

「あなたも大変だったんですね」
「色々ありますけど一緒に頑張りましょう」

といった共感の反応があれば良かったのですが…。

Aさんは辛い経験で同情を買って搾取するタイプと認定しました。

身の上話で「利用できる人間」をふるいにかけている

Ａさんから身の上話を聞かされたのはわたしだけではなく、

その仕事に関わる人のほとんどがAさんから直接話を聞くか又聞きしているようでした。

どうやらAさんは身の上話で「利用できる人間」をふるいにかけていて、

利用できない人間と分かると興味を失うようでした。

興味を失うだけならまだ良かったのですが、

対象が女性の場合は見えないところでAさんから攻撃されていました。

彼女が他人の苦労話に共感しない理由

Aさんの素行と言動から、

Aさんが他人の苦労話に共感しない理由は

「一番苦労をしているのは自分でありたいから」

と想像できます。

つまりＡさんは

身の上話で他人の同情を買って人間関係のアドバンテージを得るタイプ

「この人は今までにこれだけ苦労してきたのだから仕方ない」という

免罪符を得たいのだと思います。

冷静に考えれば、

Ａさんの苦労は当事者以外には何の責任もないのですが、

身の上話を聞いて「自分の方が恵まれている」と感じた人は

Aさんに「優しくしてあげよう」と思うのではないでしょうか。

おそらくＡさんは

物理的にも精神的にも様々な援助を受けてきて味をしめている

と想像せざるを得ません。

関わらなくて正解だった

わたしは仕事が予定より早く終わったので

Ａさんと関わる期間も短くて済みました。

その後のAさんは

・主に男性で構成されたコミュニティーを作り
・能力以上の仕事は他人に肩代わりしてもらい
・定期的に飲み会を主催するが支払いは年配者任せで
・親しくない人にお金の無心をしたらしい

と人づてに聞きました。

「持てるものからは奪って当然」
「苦労している人間は施されて当然」

…という思考が垣間見えて恐ろしいなと感じました。

もちろん考え方は人それぞれなので、

そういう考えの人もいるのは自然です。

ただ面白い（注意が必要）と感じるのは、

Aさんの「武勇伝」は

Aさんから被害を受けていない人にとっては

耳ざわり良い「美談」に聞こえるということです。

「生い立ちで苦労し、努力によって立て直した」

確かにそれだけなら「美談」です。

「辛い経験で同情を買って搾取するタイプ」に出会うと

「美談」の裏でどれほど人を踏みにじってきたのか

疑い、想像できるようになります。

「全ての人に好かれたい」と思っている人の参考になったら嬉しいです。

全ての人には好かれない方がいいですよ。

ではまた！