世宗大王 星を追う者たち【感想】「身分差おっさん同志の友情、プライスレス」な韓国時代劇映画
「世宗大王 星を追う者たち」をご存じでしょうか。
2019年に制作され、日本では2020年9月に劇場公開された韓国時代劇映画です。
王様と、元は奴隷身分の天才科学者の友情を描いた作品です。
世宗大王 星を追う者たち(字幕版)(Amazonプライムビデオ)
観て良かったです!
最初に大事なことをお伝えすると、
作中、分かりやすいイケメンは出てきません。
(時代に不相応な顔ツヤの)画面が輝くようなイケメンは一切出てきません。
ぶっちゃけ汚いおっさんしか出てきません。
言い方ェ…。
「この作品にイケメンは必要ない」と断言できるわ。
身分差を超えて志(こころざし)でつながるおっさん「同志」の友情をじんわり噛みしめ味わう映画です。
朝鮮王朝第4代王の世宗(セジョン)と、元は奴隷身分の天才科学者・英実(ヨンシル)が
「同じ夢を追って育んだ友情」と「友情がもたらした結果」を静かに見守りましょう。
「同じ空をみながら、同じ夢をみていればそれでいい」
そう思える友人が生涯に1人いるのは何と幸せなことだろうと思います。
友達っていいですよね。
世宗大王 星を追う者たちの楽しみ方
個人的におススメしたい世宗大王 星を追う者たちの楽しみ方は、
「ファンタジー作品として鑑賞する」です。
映画の冒頭に「本作品は史実を基にしたフィクションです」と断りがある通り、
世宗大王 星を追う者たちは、歴史上の人物や史実をモデルにしています。
主人公の2人のおじさまは
・朝鮮王朝第4代王のセジョン
・元は奴隷身分の天才科学者ヨンシル
です。
視聴者は上の四角の設定だけを頭の片隅に置いて作品を鑑賞するくらいがベストです。
「あれ?でもセジョンってこういう政策してなかったっけ」みたいなヤボなことは言いっこなしです。
おじさま達の友情に酔いしれましょう。
世宗大王 星を追う者たちの魅力
記事の冒頭に「大事なこと」として、
作中に分かりやすいイケメンは一切登場しないと書きました。
ウケ狙いで書いただけではなく、
「世宗大王 星を追う者たち」に外見の美しさは必要ないと感じます。
ウケ狙いだったの…。
読者を「ふるい」にかける罠とも言うよ。
外見に頼らない名優が友情の美しさを際立たせる
「世宗大王 星を追う者たち」は、
外見に頼らない名優のキャスティングで友情の美しさが際立つ映画だと思います。
王様のセジョンを演じるのはハン・ソッキュ、ヨンシル役はチェ・ミンシクです。
ハン・ソッキュ
- 「根の深い木-世宗大王の誓い-」でもセジョンを演じた実力派俳優
- 映画「シュリ」の主演俳優。
チェ・ミンシク
- 「オールド・ボーイ」の主演俳優
わたしが特に驚いたのはチェ・ミンシクが「オールド・ボーイ」の主演俳優だったことです。
オールド・ボーイは今年(2022年)4Kリマスター版が劇場公開されています。
「世宗大王 星を追う者たち」のヨンシルとあまりに印象が違うのでびっくりしました。
「オールド・ボーイ」は第57回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した作品です。
印象が違いすぎる…。
少し話がそれましたが、
「世宗大王 星を追う者たち」の絵面(えづら)は正直泥臭いです。
しかし、だからこそ、
目に見えない友情の美しさを強く感じるのだと思います。
プライスレス。
「昔の人ってすごい」と実感する映画
「世宗大王 星を追う者たち」は、時代再現にもこだわっています。
先ほど「絵面が泥臭い」と書きましたが、
わたしは作中、時代に不相応な清潔感を感じませんでした。
映画に出てくるヨンシルの発明品は、
実物大で実際に製作して再現したものだそうです。
現代よりモノや知識が少ない時代に作られたと思うと「凄い」としか言えません。
セジョンとヨンシルの友情が形になったモノと思うと感慨深いです。
物や情報が少ない時代だからこそ伝わる「人のかなめ」
「世宗大王 星を追う者たち」の時代と比べると、
現代はモノや情報が多くてなんでも複雑にしがちな気がします。
「世宗大王 星を追う者たち」を視聴して改めて感じるのは、
人が美しいと感じたり、感動したり、人を生かす希望や愛情、幸せは、
自分が複雑に考えているよりもシンプルということです。
「世宗大王 星を追う者たち」を視聴すると、複雑化した日常をリセットできるかもしれません。
「世宗大王 星を追う者たち」は、
映画のラストシーンを迎えた後も2人の友情が心に残る作品です。
「同じ空をみながら、同じ夢をみていればそれでいい」
そう思える友人が生涯に1人いるのは何と幸せなことでしょうか。
友達って良いですよね。
ではまた!